top of page
検索

【講演会】被爆者・森冨茂雄さんの鉛筆画が描く世界



7月30日(日)14:00より「森冨茂雄さんの鉛筆画が描く世界」と題し、ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会 中川幹朗さんと、広島大学平和センター ファンデルドゥース瑠璃准教授による講演会が開催されました。

まず、中川さんから、森冨さんとの出会いのお話と、実際の鉛筆画をご説明いただきました。森冨さんは1990年から鉛筆画を描き始められましたが、そのきっかけは広島を訪れた修学旅行生の「この辺りが元々公園で(被害が少なくて)良かったですね」という言葉でした。「それは違う、多くの人の生活があった場所である」ということを伝えなければならないと強く思われたそうです。森冨さんの原爆の絵はほとんど無く(5枚ほど)、子供の頃の楽しかった町の画を「記憶」だけで詳細に描かれています。森冨さんの画の特徴として、空中から見ているかのように広範囲で描かれており、記憶の中にあるものを全て描きたいとの森冨さんの強い思いが伝わります。そして、その絵がいつの映像かがきちんと整理されていることに驚かされます。


次に、ファンデルドゥース瑠璃先生から、森冨さんの画が海外でも伝わる重要なツールであること、そして記憶をつなげていく大切さのお話がありました。森冨さんがここまで詳細な画を描かれているのは、記憶に対しての責任を背負っているのではないか、森冨さんが描くことでそこに住んでいた人たちの記憶が残っていき、後世に繋がっていく。森冨さんの画を広めることで、人々の命の記録をつなげていけるのではないかと考えられています。


1時間ほどの講演会でしたが、参加者からいくつか質問もあり、非常に充実した時間となりました。「誰に見せるというあてがあったわけじゃないが、描いておけば誰かが見るだろうと思って描きました」と森冨さんは言われています。より多くの方に森冨さんの思いがつまった画を見ていただきたいと思えたお話でした。


 
 
 

Comentários


Copyright © 2022 「原爆ドームとヒロシマ」実行委員会

bottom of page